育てたいと育てられないの間で

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まめを保護したその夜は一睡も出来なかった。寝ている時に何かあったらと思うと心配だったのもあるが、何をしても可愛くて仕方がなくて目が離せなかったからだ☺

蛍光灯の灯りは慣れないだろうからかえって不安になるかと思い、灯りを遮るようにブランケットを箱に被せた。薄暗くなったせいか一瞬静かにはなったが、直ぐにミーミーと鳴き始めた。母猫が恋しいのだろうか・・・。段ボールから出ようと箱を揺らすので、ブランケットを外して声をかけた。

「大丈夫だよ」

本当は抱きしめてあげたかったが、ノミやダニの心配もあったので段ボールからは出さずに箱に手を入れて首筋などを撫でると、気持ちよさそうにして落ち着いた。今にも壊れてしまいそうな小さな体に触れると温かさを感じる。今ここで生きているのだと思うと、このまま我が家で育てたいという気持ちが湧いてきた。でもそれと同時に、環境面でも金銭面でも即決は出来なかった。我が家には猫を育てるのに必要な物が何もない。医療費の高さは犬を育てていたので予想はついていた。現状では幸せにしてあげられる確証は無かった。そうなれば後は二択しかない。里親に出すか保護団体にお願いするかだ。まめを見て湧いた思いに蓋をするように、先ずは猫を保護したらどうするべきかを調べ始めた。検索サイトに文字を入力する度に指が止まる。我が家に来たのも何かの縁。運命的なものを感じていた。でもこの一つの命を現状で守り切れるのか・・・考えても答えは見つからない。この子が幸せになるにはどうしたら良いのか、それだけに集中して指を動かした。

段ボールの中で眠るまめ

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