2019年11月、まめが生後6か月、我が家に迎え入れて5か月が過ぎたある日、それは突然でした。ペースト状の嘔吐を繰り返し、下痢をしたのです。他に異常は無いかまめを見ているとこれまでに無いほど鼻の色が真っ白で、貧血か何かの病気か?と、何だか嫌な予感と言いますか、子猫であるまめの体の中で何かが起こっていると直感したので迷うことなく病院に連れて行きました。
診察後検査を受けたところ、白血球の減少が見られ、先生から猫汎白血球減少症(猫パルボウイルスによる感染症)であると診断を受けました。検査の数値などを拝見し色々と説明も受けましたが、一番印象的だった「この病気の致死率は特に子猫は高いので、治療をすれば必ず助かる・・・とは言い切れません」という言葉が頭の中を支配して動揺しました。
また、治療にはインターフェロンという薬を使うので、治療費は高額になるということでしたので、診断結果とそのことを夫に報告し、すぐに治療をお願いすることになりました。
小さなまめを病院に預け、自分たちは面会することしかできず無力感でいっぱいでしたが、できるだけ面会に来て顔を見せてあげて下さいと先生が仰って下さったので、朝と夕方の2回毎日面会に行きました。
入院当日の夕方面会に行った際は、感染症ということもあり、まめは個室にあるケージに入って治療を受けていました。面会時は個室のドアだけ開けて下さったのですが室内には一歩も入れず、少し離れた距離から様子を伺い声をかけました。ピンクの小さなエリザベスカラーを着けて、前足には点滴の管が付いたまま隅っこでじっとしていましたが、私が声をかけるなりフラフラしながら立ち上がろうとしたので、そのままでいいよ!と声をかけたら少し鳴いてじっとしていました。看護師さんに様子を伺ったところ、トイレも食事もできていないということでしたので、慣れない病院であることと、やはり体がきつかったのだと思います。そんな中で私の声に反応しようとするまめの姿を見て、泣いてしまいました。助かってほしい!何でもするから神様助けて下さい!そればかりを願っていました。
神様に願いが届いたのか、入院2日目の面会では立てるようになりましたが、声をかけたところ怒っているように鳴いていました。先生に経過を尋ねたところ、相変わらず食が進まず入院時と特に変わりはないとのことでした。ただ、慣れない環境で怯えているので、鳴き声が怒っているように聞こえたのはあながち間違いではなく、多分連れて帰ってと鳴いていると思いますとのことでした。それはそうですよね。まめからしたら具合が悪いのに、苦手な病院に連れて来られて、知らない人に囲まれて薬や注射や点滴をされているのですから💦心の中では連れて帰りたい気持ちをグッと堪えて、まめには「頑張ってね!明日も来るね!」と声をかけてその日は帰りました。
入院3日目、これまで面会時はドアを開けてもらえていたのですが、この日からはドアを閉めてガラス越しの面会となりました。声をかけると鳴いて反応してくれましたが、また怒ったように鳴いていていましたし、点滴をの針を刺しているだろう前足を見るのが痛々しくて可哀想に思えました。看護師さんに様子を尋ねると、食事を少し摂れる様になり、点滴を抜くような素振りもないのでとエリザベスカラーが外されたものの、それ以外変わりはないとのことでしたので、まだ生死の境に居るのだなと思い、快方を願うしかありませんでした。
入院4日目も3日目と変わらずでしたが、この日は調子が良くなかったのか私が来ても起き上がらず隅の方で香箱座りをして鳴いていました。心配になって看護師さんに尋ねましたが特に変わりはないようでした。先生にもお話を伺いましたが、血液検査の結果僅かに白血球の上昇は見られるものの、まだ数値は低く予断を許さないとのことで、次の血液検査である程度のところまで白血球の上昇が見られたら退院を考えましょうということでした。
入院5日目、点滴の管が外れていたのですが、包帯を前後の足にしていたので看護師さんに尋ねたところ、毎日の前足への点滴で少し腫れが見られたので、今回は後ろ足にした後外しましたとのことでした。避妊手術を終えて間もなくの感染で、こんなに何度も注射や点滴をして、今月は痛い思いを沢山してるのに・・・頑張っているまめが助からない訳がない!と、まめの顔を見て強く思いました。面会後に血液検査をする予定があると伺っていたので、とにかくその結果にまめの頑張りが反映されることだけを祈り、まめに声をかけてから面会を終えました。
入院6日目、昨日の血液検査の結果白血球の上昇が見られた為、明日退院できますと先生から退院許可が下りました。まめに「明日帰れるよ!」と声をかけたところ、まめもソワソワしていました。あんな小さな体で1週間何とか乗り切ってくれて、保護した時もそう思いましたが、この子は命に縁のある子だなと改めて思いました。見守ってくれた人に、先生に、看護師さんの方々に、夫に、とにかく感謝しかありませんでした。もちろん頑張ってくれたまめにもです。
入院7日目、15時の退院でしたので夫と迎えに行きました。余程帰りたかったのかすぐに抱きついてきました。先生からは、ここまで白血球が上昇すればもう大丈夫ですとお墨付きを頂きました。帰宅後まめに退院祝いのキャットタワーをプレゼントすると、警戒することなく登ってくれました。人間も同じことを言うと思いますが、まめも「やっぱり家が一番だにゃ!」と言っているように、部屋中をニャルソックして回ったり遊んだりしていてご機嫌でした(´ω`*)
まめを迎え入れてから、まめの居ない生活が想像できなくなっていた私は、まめが居ない間心配で寂しくて仕方ありませんでした。まめもそうだったのかなと思うと、本当に可哀想な経験をさせてしまったなと今でも思います。ワクチン接種はちゃんと受けていましたし、完全室内飼いなので他の猫と接触したこともないのにどうして罹ったのか・・・。ワクチンも100%ではないということでしょうか。先生からもその辺りは何度か尋ねられました。他の猫との接触はありませんよね?完全室内飼いでしたよね?と。一応可能性として先生に、玄関でのウイルスとの接触の可能性はあり得るのかと尋ねてみました。まめはたまに玄関のたたきで靴のニオイを嗅いだりしているので、私たちが外を出歩いて帰って来る時に持ち込む可能性はないのかと。先生は、その可能性も無いことは無いと思いますと仰いました。
罹った原因は辿れませんし、過剰に恐れる必要はありませんし、子猫の致死率が高いことを考えるとまめが助かったのも運が良かったのかもしれませんが、完全室内飼いでも思ってもみない病気に罹ることがあるということは、やはり日頃からの健康観察は必須で、受診のタイミングも大事ということなのだなと勉強になりました。
また、動物を飼うということは綺麗事だけでは済まない部分があるのだと実感しました。それは治療費です。最初の受診で先生に高額になることは伺っていましたが、実際この病気でかかった費用は8万円でした。もちろん命には替えられないので即治療を始めましたが、例えばFIP(猫伝染性腹膜炎)のように認可されていない薬での治療となると、100万円単位で治療費がかかるようで、Twitterでもクラウドファンディングをしている方を多く見かけます。動物と暮らすということはそういう負担を担うという覚悟も必要になるのだと改めて思わされました。
コロナ禍でペットの需要が増えているそうです。1匹でも多くずっとのお家が決まることは望ましいのですが、病気になった時の様々な覚悟も考慮されて迎え入れられることを強くお勧めします。健康管理は飼い主様の責任です。私も今後も肝に銘じてまめと暮らしていきます。
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